ポリオはどんな病気?
ポリオは、ポリオウイルスによって発生します1)。急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん)や脊髄性小児麻痺(せきずいせいしょうにまひ)という別名がありますが、日本では過去に「小児まひ」と呼ばれ、大流行したこともありました1,2)。
                 
                
                 
                
ポリオは、ポリオウイルスによって発生します1)。急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん)や脊髄性小児麻痺(せきずいせいしょうにまひ)という別名がありますが、日本では過去に「小児まひ」と呼ばれ、大流行したこともありました1,2)。
ポリオウイルスは主に、便からうつります。例えば、便の付いた手指などを介して口の中に入ることで感染することがあります(糞口感染:ふんこうかんせん)1,2)。
多くの人(90~95%程度)は、感染しても目立った症状が出ません2)。感染者の4~8%程度は、かぜのような症状(発熱、頭痛、咽頭痛、吐き気・嘔吐など)が出ます3-5)。
ポリオに特徴的な麻痺(まひ)が出るのは、感染した人の0.1~2%です3)。ポリオは主に子ども(5歳未満)がかかることが多い疾患です。ポリオウイルスに感染した場合、感染者200人のうち1人の割合で不可逆性(元の状態に戻すことが不可能)の麻痺(まひ)を引き起こします。 麻痺を起こした患者さんの5~10%で亡くなるとされ4)、後遺症が残ることもあります2)。
ポリオはかぜに似た症状、まれにあらわれる麻痺などが特徴的な症状になります。
【子ども・大人】
かぜの症状などであれば、まずはかかりつけ医などを受診しましょう。
麻痺症状などがあらわれた場合は、救急をご検討ください。
ワクチンの活用もあり、ポリオは日本国内で根絶されました2)。ただ、海外ではポリオウイルスの患者さんが報告されています2,3)。ワクチンを接種することで、海外から国内に持ち込まれるウイルスへの感染や、海外滞在中のウイルス感染を予防できます2,3)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
ポリオを予防するワクチン(注射)には、以下の3種類があります1,6)。
定期接種は原則無料です。任意接種は費用(原則自己負担)がかかります(定期/任意接種についてはこちら)。
【子ども】
ワクチンは定期接種で、四種混合の接種が多く行われていましたが7-9)、2024年4月から五種混合が定期接種化されました。使用するワクチンは五種混合が基本となります。当面の間は四種混合も使用できますが6,10-11)、四種混合の販売が終了となるため、四種混合で接種を開始している方は、早めに接種を計画してください。四種混合の在庫がなくなった場合、五種混合に切り替えて接種できます12)。
[五種混合]
五種混合の一般的な接種スケジュールは、これまでの四種混合とHib(ヒブ)ワクチンを参考に作成されており、「生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります1,6,8-10)。
[四種混合]
四種混合の一般的な接種スケジュールは、「生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります8-10)。
[不活化ポリオワクチン(IPV)]
IPV単独(定期接種)の一般的な接種スケジュールは、「生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります8-10)。また、五種混合または四種混合の4回接種後5~7歳未満に任意接種が推奨されています8)。
 
              2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、4回の四種混合ワクチンが完了した子どもの割合(実施率)は91.8%でした7)。
五種混合ワクチンの主な副反応は接種部位の局所反応(はれや痛みなど)、発熱など、重い副反応としてアナフィラキシー(重いアレルギー反応)などがあらわれることがあります2)。